【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
3.幼妻の場合(3)
 浴槽にはカトリーナ推薦の花びらが浮かぶバスフレグランスを使用している。そのため、お湯の色は乳白色になっていて、水面に花びらが浮かんでいた。湯の中に入ってしまえば、お互いの肌は見えない。
 さらにオリビアは、カトリーナに教えてもらったシュミーズを着ていた。下の下着はつけていないが、膝上十センチまでの丈があるため、こちらも見られて恥ずかしい部分は隠れているはずである。
 クラークが立ち上がり、オリビアに背を向けたまま浴槽に入る。身体の大きな彼もゆったりと足を伸ばせるような、広い浴槽だ。
「おいで」
 まるで子猫を呼ぶような優しい声で、クラークがオリビアに手を伸ばす。オリビアはその手をとり、浴槽に足を入れた。
 チャプン――。
 彼に背中を預けるように抱っこされ、浴槽に入る。お湯の温度かクラークの体温かわからないが、とにかく背中が温かい。
「君は十八歳になったんだな。おめでとう」
「はい、先月……」
「贈り物もせずに、悪かった」
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