【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
4.生真面目夫の場合(1)
◆◆◆◆
クラーク・ディブリ、三十五歳。男性、既婚。王国騎士団の団長を務める。ディブリ伯爵の爵位を継いだ。
なんとも立派な肩書である。
さらに彼の妻があのオリビア・ディブリとなれば、誰もが羨ましがる。
元々はセンシブル子爵家の三男で、家を継ぐことはできなかった。それを、前騎士団長であったアトロに見初められ、オリビアを守って欲しいと言われた。
そう。アトロから言われた言葉は『守って欲しい』である。
その結果、彼女と結婚することになったのだ。
二年前、王都ギザラを襲った大火事で、アトロは命を失った。もっと早く自分たちが駆けつけていれば、助かった命であるのにと、今も思っている。
だからこそ、彼の娘でありクラークの妻であるオリビアに合わせる顔がない。
ずっとそう思っていた。
半年の遠征から戻り、帰宅すると、オリビアは笑顔で迎えてくれた。それが社交辞令だとしても、嬉しかった。
だから、今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られたが、今の身なりはけして綺麗とは言えないことを思い出し、ぐっと堪えた。このような男から抱擁を求められても、オリビアは驚くだけだろう。
クラーク・ディブリ、三十五歳。男性、既婚。王国騎士団の団長を務める。ディブリ伯爵の爵位を継いだ。
なんとも立派な肩書である。
さらに彼の妻があのオリビア・ディブリとなれば、誰もが羨ましがる。
元々はセンシブル子爵家の三男で、家を継ぐことはできなかった。それを、前騎士団長であったアトロに見初められ、オリビアを守って欲しいと言われた。
そう。アトロから言われた言葉は『守って欲しい』である。
その結果、彼女と結婚することになったのだ。
二年前、王都ギザラを襲った大火事で、アトロは命を失った。もっと早く自分たちが駆けつけていれば、助かった命であるのにと、今も思っている。
だからこそ、彼の娘でありクラークの妻であるオリビアに合わせる顔がない。
ずっとそう思っていた。
半年の遠征から戻り、帰宅すると、オリビアは笑顔で迎えてくれた。それが社交辞令だとしても、嬉しかった。
だから、今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られたが、今の身なりはけして綺麗とは言えないことを思い出し、ぐっと堪えた。このような男から抱擁を求められても、オリビアは驚くだけだろう。