【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
2.幼妻の場合(2)
その日、オリビアは朝からそわそわしていた。
というのも、半年前から遠征で不在にしていたクラークが帰ってくる日だからだ。
騎士団が王都入りしたという話は、使用人を通して聞いていた。
侍女を呼びつけては、念入りに身支度を整える。
クラークに子供扱いされないように、精一杯大人の女性を演じるつもりであった。金色の髪は結い上げてもらい、うなじを強調させてもらう。
男性にうなじを見せるとよい。それは、信頼のおける年上の子爵夫人から仕入れた情報である。
落ち着いた色合いのモスグリーンのハイウェストドレスは、不要に肌を見せないようなデザインだ。
大人な女性は敢えて隠す。これも、子爵夫人から仕入れた情報によるもの。
オリビアは、友人に恵まれていると、そう思っている。
「奥様、お似合いです。きっと旦那様も喜ばれることでしょう」
侍女の弾んだ声で、オリビアの頬も緩んだ。
オリビアはクラークの帰りを今か今かと待っていた。サロンでお茶を飲んでいても、気持ちは落ち着かない。
半年ぶりに顔を合わせる夫。
というのも、半年前から遠征で不在にしていたクラークが帰ってくる日だからだ。
騎士団が王都入りしたという話は、使用人を通して聞いていた。
侍女を呼びつけては、念入りに身支度を整える。
クラークに子供扱いされないように、精一杯大人の女性を演じるつもりであった。金色の髪は結い上げてもらい、うなじを強調させてもらう。
男性にうなじを見せるとよい。それは、信頼のおける年上の子爵夫人から仕入れた情報である。
落ち着いた色合いのモスグリーンのハイウェストドレスは、不要に肌を見せないようなデザインだ。
大人な女性は敢えて隠す。これも、子爵夫人から仕入れた情報によるもの。
オリビアは、友人に恵まれていると、そう思っている。
「奥様、お似合いです。きっと旦那様も喜ばれることでしょう」
侍女の弾んだ声で、オリビアの頬も緩んだ。
オリビアはクラークの帰りを今か今かと待っていた。サロンでお茶を飲んでいても、気持ちは落ち着かない。
半年ぶりに顔を合わせる夫。