【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
12.生真面目夫の場合(5)
◆◆◆◆
『もしかして。旦那様は、私のことが嫌いなのですか?』
オリビアからそう尋ねられた時、クラークの全身にはビリリと痺れが走った。
本当のことを口にすべきか。
それとも本音は隠すべきか。
だが、最後の最後に嘘はつきたくない。
彼女に憎まれてもいい。彼女がこれから幸せな人生を歩むことができるのであれば、嫌われてもいい。
「嫌い、ではない。だから、君には幸せになってもらいたい。だから、君の隣にいる男は俺では駄目なのだ」
社交界での噂も知っている。
自分と結婚してしまったために「かわいそう」と言われている彼女。
彼女がそう言われることが許せなかった。だが、それを言い負かすだけの話術もないし、それを覆すだけの器量もあるとは思えなかった。
ただ彼女の側にいて、彼女に悪い虫がつかないようにと、排除することしかできなかった。
クラークの言葉を聞いたオリビアの全ての動きが、一瞬止まったように見えた。驚いたのか藍色の目を見開き、口も閉じるのを忘れたかのようにポカンと開いている。
『もしかして。旦那様は、私のことが嫌いなのですか?』
オリビアからそう尋ねられた時、クラークの全身にはビリリと痺れが走った。
本当のことを口にすべきか。
それとも本音は隠すべきか。
だが、最後の最後に嘘はつきたくない。
彼女に憎まれてもいい。彼女がこれから幸せな人生を歩むことができるのであれば、嫌われてもいい。
「嫌い、ではない。だから、君には幸せになってもらいたい。だから、君の隣にいる男は俺では駄目なのだ」
社交界での噂も知っている。
自分と結婚してしまったために「かわいそう」と言われている彼女。
彼女がそう言われることが許せなかった。だが、それを言い負かすだけの話術もないし、それを覆すだけの器量もあるとは思えなかった。
ただ彼女の側にいて、彼女に悪い虫がつかないようにと、排除することしかできなかった。
クラークの言葉を聞いたオリビアの全ての動きが、一瞬止まったように見えた。驚いたのか藍色の目を見開き、口も閉じるのを忘れたかのようにポカンと開いている。