「君の最期の言葉を聞かせておくれ」
「お前は、そのまま命を終わらせるつもりなのか?生きたいとは、思わないのか?」

「……思わない」

「そうか。なら、明日……お前の命をもらいに来るからな」

彼の返答に、俺はそう返した。



翌日。宣言通りに彼の元を訪れた俺。

「あ、死神さん。来てくれたんだ」

ここ最近、上手く眠れてないのだろう。目元には隈が出来ている。

彼は、弱くもどこか嬉しそうに笑う。

「……今からお前は死ぬ。良いんだな?」

俺がもう一度問いかけてやれば、彼は無言で頷いた。

「分かった。じゃあ、お前の最期の言葉を聞かせてくれ」

「……死神さん、ありがとう!」

「……!」

さっきの弱い笑顔とはまた違った、幸せそうな笑顔を見せる。

「……最期くらい、生きたいと言えよ」
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