太陽のような君へ
日向は私たちに気づくと手招きする

「美月!里菜ちゃんこっち手伝って」

『えー。始まるまで座ってようと思ったのに』

里「座ってたらクラスのみんなから反感かうよほら、行くよ!」

ネットの紐を縛るのに苦戦していると後ろから日向が来て結局手伝ってくれる

「美月は不器用だなぁ こうやるんだよ?」

『そうです私なんてどうせ不器用ですよ』

「拗ねんな」

キャーキャーと女子達が歓声を上げている

おそらく私を後ろからバックハグするようにして紐を縛るのを手伝っているからだろう
とはいえ私はこの距離感には慣れてしまって全く動じない
むしろこれくらいが私たちにとって普通なのである

授業が始まって私は里菜とペアを組みバレーボールをパスしながら練習をしている

里「あ、男子はもう試合始めるんだ」

里菜の視線の先にはサーブをする日向と練習そっちのけでコート前に集まる女子達がいた

日向がサービスエースを取り、黄色い歓声が上がる

『相変わらず綺麗なサーブだな』

高い打点から真っ直ぐ向こうのコートに入れられるサーブは速すぎて見えない気がする

さすがバレー部次期主将

先生「お前らー!男子ばっか見てないでこっちも試合始めるぞ」

はーいとコートに集まる女子

私は…最初から試合だ

里「美月がんばろーね」

『うん…』

相手チームには女子バレー部の咲さんがいる。
咲さんのサーブってなんか怖いんだよね
< 6 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop