御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
顎を引いて、その状態で凪くんの方を見上げる。


と……凪くんは私を見たまま固まってしまった。


「凪く、」


「……な、凪くーん?大丈夫?」


動かない凪くんのことが心配になって、顔の前でヒラヒラと手を振ってみる。


そうしていると、凪くんは我に返ったように目を見開いて、腕と膝との空間に顔を埋めてしまった。


「……ずる…」


「…え、」


「妃奈、可愛すぎだから」


か……わ、い??


へ、……


「……はやく……きになって」


私がちゃんと聞いていなかったのか、凪くんの言葉は途切れ途切れで私の耳に届いた。


凪くん今、この体勢だし…体調が悪いとかだったらどうしよう…。


んー、と顎に手をあてて、なんの理由もなく後ろを振り向く。


その時、私の目には…太陽の光が窓にあたり、反射したものが大量に飛び込んできた。
< 102 / 297 >

この作品をシェア

pagetop