御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「んっ、」


言わずもがな、瞼は閉ざされる。


だけど……その隙間から、空の一部が7色に染まっているのが確かに見えた。


「凪くん!あれ、虹!?」


「え?あぁ、そうだね」


私の呼びかけに答えてくれたってことは……顔を上げて、外を見たということ。


だから私は、そのタイミングで振り返って、目を合わせにいった。


良かった、顔色は悪くない…


あとは…


「凪くん、ありがとう」


「凪くんといると、怖いことも怖くないし、虹も見れて、いいことばっかりだよっ」


伝えられていなかった感謝を…


私からの突然の言葉に、凪くんは一瞬、戸惑っていたけど、すぐに笑顔を見せてくれた。


そして、私に続くように…


「俺も……ありがとう、妃奈」


と、小さな顔の中に寸分のズレもなく配置されている、形のいい唇の端を、そっと上げた。
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