御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
途端に俺の背筋が凍りついていく。


「かっこいいって、?」


「うん!見て見て!」


妃奈は俺の独占欲になんて全く気づいてないというのを、その笑顔で証明してみせる。


妃奈のスマホに目を向けると、そこには少女漫画タッチの男子のイラストが描かれていた。


「この、ポンパ?平成ヘア?みたいなのすごくかっこいいのっ!」


「妃奈はこういうのが好きなんだ?」


「うん!好きっ!」




…………前言撤回。髪なんて切らない。




このイラストの髪型を再現するにはある程度伸ばす必要がある。


ポンパの横の髪の毛も目より下の長さで横に流している。


そして、肩に触れるぐらいの襟足。


ちょっと長さは足りないかもしれないけれど、一応出来そうだな。


「妃奈、ちょっと待ってて」


「うん、?」


俺は1人、妃奈をリビングに残して、洗面所へ向かった。
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