御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「ごめんね、加工つけさせて?私の顔、そうしないとマシにならないから…」


ん?誰のこと?


加工つけたらマシなんてものじゃなくて、妃奈は無加工が1番可愛いけど…?


妃奈は自分の可愛さに気づいてなさすぎ。


心配になるくらい。


「凪くん?いくよー」


そう声をかけてくれる妃奈。


そっとスマホの方に目を向ける。


画面に写る俺と妃奈の顔には確かに肌補正などの加工がついていることが分かる。


「はい、チーズ」


ニコッと可愛らしく笑った妃奈がそう言うと同時に、撮影ボタンが押された。


「凪くんは、加工つけてもつけなくても、何してもかっこいいね…」


スマホを自分の方に引いて、確認をしていた妃奈は、感心したような声を上げる。


妃奈はそんなふうに褒めてくれるけど、俺なんかどうでもいい。


今、貰った言葉、全部妃奈に返すよ。


かっこいい、を可愛いに変えて。


< 111 / 297 >

この作品をシェア

pagetop