御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
えっ!?…あ、凪くんだけかな?


じゃあ私はバスで後を追えばいい?


「じゃあ、向こうで合流しようね」


バス停に向けて、走り出す構えをとった私。


なんだけど……予想外だと言うように、目を丸くした凪くんに手を握って止められた。


「違う。"一緒に"車に乗って行くんだ」


「え!?」


「乗って」


考える暇もなく、私の手を引いてくれた凪くんによって、私は車の中へ入ることになった。




「広い…」


リムジンの中ってこんな感じなんだ…


パーティー会場みたい…


「お菓子もあるから、食べていいよ」


沢山座る場所がある中で、私の横に腰を下ろした凪くん。


ここ、定位置なのかな?


邪魔したら悪いし、移動しようかな。


そう思って、1度凪くんの方を向くと、凪くんは寂しそうな目で私を見つめた。


「ダメ。妃奈は俺の隣にいて」


まだ立っていないのに、私がそうするのを分かっていたみたいな凪くんの言葉。

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