御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。



───「ここの席だね」


ぼっーとしていた私に凪くんが席を教えてくれる。


「ありがとう」


プラネタリウム内の椅子はリクライニングができるようになっていて、もとから、少し倒れた状態に設定されていた。


「凄いねっ、!」


「そうだね」


落ち着いた凪くんを見ると、私が子供っぽく思える。


同級生なのに、差がありすぎて…恥ずかしい。


暗闇でぼやける凪くんから視線を逸らして席につくと、私の視界は星空でいっぱいになった。


想像通り……とっても幻想的で、手なんて届くわけないくらい遠いのに、心は近い。


自然の空も、、こんな感じだったっけ……??


私、いつもちゃんと見れてないんだなぁ…


そっと瞼を下ろすと、しばらくして、お姉さんの優しい穏やかな声が耳に届いた。


「夏の大三角は、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガ、の3つの星からなっています。」
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