御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「俺、譲る気ないから」


「…へっ、??」


真面目な顔をして、舜くんは一体何を言っているんだろう…


それが、率直な感想だった。


あ、もしかしてあれかな


「購買のパンの話?」


舜くんはいつもチャイムが鳴ってすぐ、1階の購買に走っていく。


どのパンも美味しいで有名だからすぐに売り切れちゃうんだけど、舜くんは見事に人気なパンを獲得してきちゃうの。


前に、フルーツサンドの新作が出た時は、自分じゃ絶対買えないのが分かっていたから、舜くんにお願いしちゃったぐらい。


そんなこともあって、舜くんはパンの話をしているのかな、って思ったんだけど……どうやら見当違いだったみたい。


だって、は?って文字を顔に浮かべてるもん。


「ごめんね、違った!?」


慌てて声をかけると、舜くんは呆れたのかそれとも諦めたのか、短くため息をついて自分の頭をかいた。
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