御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「妃奈、それって…」


「あ、これ!?修学旅行の時の写真を印刷して挟んだの!」


修学旅行……ね、高校の修学旅行は2年で行くから、もう終わったんだよな…


眉をひそめる俺に、妃奈がニコニコしながら写真を見せてくれる。


だけど……その写真の妃奈の隣に、男がいるのが気に食わない。


なんだこいつ、距離があまりにも近い。


時間が経った今怒って妃奈を困らせたくないけど……


俺がいれば、こんなこともなかったのにな。


何も言えず、ぽんと妃奈の頭に手を乗せると、妃奈は俺を見上げて優しく微笑んだ。


「修学旅行、沖縄だったんだけど、マリンスポーツをやってて落ちちゃったの。それでびしょびしょになったら、舜くんに怒られちゃって笑」


「そっか」


妃奈にとって、いい思い出になったのなら、俺も嬉しいよ。


その後で、『あのね…』と呟く妃奈。


「こんなこと言われたら困るかもだけど、中学校の修学旅行も、高校の修学旅行も、凪くんと行きたかったな」


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