御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「う、ん!わかった!」


純粋すぎて、俺の言葉の意味なんて分かっていないはずなのに、笑顔で頷く妃奈。


そろそろ耐えきれなくなりそうで、俺は静かに妃奈から体を離した。


「凪くん、?」


「湿布と保冷剤、新しいの取ってくるね」


「それなら、私自分で取りに行くよ?」


妃奈はそう言ってくれるけど、今の俺は妃奈と一緒にいたらダメだと思う。


また妃奈を傷つけてしまうから。


「妃奈は安静にしてて」


妃奈の元から離れ、湿布と保冷剤を手に取る。


手に包まれている保冷剤の冷たさに俺は冷静さを取り戻した。





…危ない。妃奈の可愛さはある意味毒だな……


大切だからこそ、なんとしてでも妃奈を傷つけないように。そう決めて1度失敗してるんだ。


『嫌い』という言葉で誤解させて…


だから、今度こそ言葉の綾や身勝手な行動で、妃奈を悲しませないようにしないといけない。
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