御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「だから妃奈……」


「ま、待って!!」


究極にモテる2人がこれ以上何か言ったら騒ぎになる!


そう思って、私は慌てて凪くんの言葉を遮った。


「…その、十分もらった、よ?」


だから、ね?と2人に目線で訴える。


すると、2人は私の言葉の意味を分かってくれたのか分かっていないのか、無言で天を仰いだ。


「っっ、このっ、天然バカ」


甘い言葉を冷たい言葉に戻した舜くんを見て、もうさっきのようなことはないのだと安心してしまう。


だけど……まだ安心するには早かったのかもしれない。


少しだけ頬を赤く染めた舜くんは、私の方に近づいてきて……


私が抵抗する暇もなく、大きな体で抱きしめたから…


「キャーー!!」


そんなの女の子の歓声のような悲鳴があがるのは当然のことで。


舜くんの耳にも絶対聞こえているはずなのに、彼は微動だにしない。
< 178 / 297 >

この作品をシェア

pagetop