御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
それどころか、私の耳元に顔を寄せる。


「…それ以上可愛くなんなよ」


低く、甘い声で囁かれたそれは私の鼓膜を越えて全身を揺らした。


「っ、、舜くん…なんか違うっ、」


きっと顔が真っ赤になっているであろう私が、舜くんの制服を軽く掴んで訴えると、舜くんはハッとしたような表情を浮かべて体を離してくれた。


「……予鈴鳴る。」


ボソッとこぼされたその言葉通り、1分も経たない間に予鈴が鳴り響いた。


周りにいた女の子たちみんなが残念そうに自席に戻る中で私は驚きの言葉たちを耳にした。


「日景くんもやっぱり妃奈ちゃんか〜」


「んーまぁ好きってダダ漏れてたからね」


「うんうん、むしろ早く伝えろよって感じだった笑」


えっ………なに、それ…


私が変に心配しなくても、みんな知ってたの……??


……う〜、もういろいろ訳わかんないよ…


舜くんと凪くんが私を好きってだけでもいっぱいいっぱいなのに…!!




──この後、私は当然のように光莉に泣きつくことになりました。
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