御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「当て馬って辛いよな…」


「え…?う、ん。そうだね、?」


「俺、当て馬にはなりたくないから。」


へ……??どういうこと。一体、何の話をしてるの?


「あ、少女漫画の世界に入ったらってこと?それなら凄くわかるよ!私も脇役は嫌だなぁ…」


私の頭に置かれる舜くんの手つきが驚くほど優しい。


「妃奈は絶対ヒロインだよ」


舜くんのそれが、お世辞なのか私を哀れに思ってなのかは分からない。


だけど、どちらにせよありがたく受け取り、同時に舜くんもヒーローになれることを願った。





「俺が買ってこようか?」


本を乗せてというように手を出しながら言ってくれる。


「大丈夫だよっ、自分で買ってくる!」


さっき見た時はあんまりレジも混んでなかったから。


それに舜くんを使うの申し訳ないし。


「俺に買わせてくれねーの?」


……じっと見つめられて、舜くんが引き下がらない理由に首を傾げる。
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