御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「妃奈」


「あ、舜くん!これっ!」


舜くんは代金を渡そうとした私を手で制する。


「本当に律儀なやつだな」


「申し訳ないからっ、」


「今日デートしてくれたお礼」


「で、、……えっ!?」


これって普通のお出かけじゃなかったの!?


あれ、?デートって付き合っている2人がするものじゃなかったけ……??


舜くん的にはそうじゃないのかな。


「デート、じゃだめか?」


顔を覗くように首を傾ける舜くん。


「デート…う、ん、分かった」


「やった」


無意識に可愛い!って思っちゃうような顔で言われて、首を横に振れるわけないじゃん……


「本ありがとう、舜くん」


下唇を噛んで顔を逸らすと、不意に舜くんの手が私の手に絡められた。


「えっ!」


さすがにびっくりして顔を上げる。


だけど、そんな私の視線が舜くんと交わることはなかった。


舜くんはなにもなかったみたいに前を向いたから。


「どうする?ゲームセンターでも行く?」


「…うん」
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