御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
[妃奈side]


久しぶりに自分の家に帰った私は、お母さんたちに心配そうな顔をされた。


「妃奈!どうしたんだ?」


いつも冷静なお父さんが慌てている。


「大丈夫?」


いつも優しいお母さんの声が私の心にささっていく。


耐えていた涙が一気に溢れ出す。


「どう、しようっ、」


「妃奈、大丈夫?ゆっくり話して」


「……その、喧嘩するほど仲が良いって聞いたからっ、、凪くんに喧嘩しようって言ってみたの…」


涙が邪魔して視界が霞むけど2人が大きな目を見開いているのが分かる。


「え、っと凪くんはなんて?」


「……したくないって」


そう答えると、お父さんとお母さんは両サイドから優しく頭を撫でてくれた。


「凪くん、私と仲良くなるの嫌なんだって思っちゃって…」


それで、辛くなってしまった。


凪くんと当たり前のように一緒にいるのが。

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