御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「大丈夫よ、とりあえず今日は久しぶりにうちで過ごしたら?」


「あぁ、そうだな。今帰っても上手く話せないだろうから。」


そっか……確かに…私、話すの苦手だから。
慌てて変なこと言っちゃいそう。


「光莉に仲直りの仕方、相談してみるね」


「うん、頑張れ妃奈」


「ありがとうっ、お母さんもお父さんも」


2人にお礼を言ってから、私は急いで久しぶりの自分の部屋へ向かった。




ドアを開けると、何も変わっていないその場所。


だけど、ホコリが溜まっていたりすることはなくて、お母さんが掃除をしてくれていたことが分かる。


「ただいま」


他に誰かがいるわけでもないその空間に、言葉をこぼす。


返事が返ってくるわけではないけれど、それでもただただ温かかった。


「…よし、」


ベットに腰を下ろしてから、スマホの液晶画面をタップする。


そしてスクロールで光莉の連絡先を探す。
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