御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
視界がひらけると気づけば、私は……ジャージを着せられていた。


胸元に『東雲』と刺繍されているジャージを…


凪くんはポンっと私の頭に一瞬だけ手をのせてからその場を去っていってしまった。


「あ、東雲から借りたのか？」


そのタイミングで舜くんがジャージを片手に戻ってきてくれた。


「…ごめん、舜くん…」


「ん、全然大丈夫。ほら、早く行かないとチャイム鳴るぞ」


わざわざ教室まで取りに行かされたのに、私の方を心配してくれる舜くんは優しすぎる。


「う、んっ、ありがとう」


舜くんに軽くお辞儀をして、私は急いで体育へ走った。




──体育の途中、私が凪くんのジャージを着ていることに気づいた女の子たちはみんな歓声のような悲鳴をあげていた。


同じクラスの女の子よりは4組の子が…


光莉にもそれで捕まって、


「妃奈！？なんで東雲くんのジャージ？仲直り出来たの！？」


と問いただされた。
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