御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「妃奈が心配なの〜」


眉毛を下げて、ぎゅっと私に抱きつく光莉。


私はそっとその背中を撫でて『ありがとう』と伝えた。




──2時限目終了後、私はジャージを持って凪くんに話しかけた。


「凪くん、これ…ありがとう」


「うん。」


……謝るなら……このタイミングだよね。


せっかく話しかけられたんだし…


「…あのっ」


「昼休み」


「…へ、?」


「2人でお昼食べよ」


え…凪くん??


凪くんの顔を見てみても、何を思ってその言葉を言ったのか全く分からない。


「裏庭のベンチで待ってる」


謝ろうとしていたのに、全然違う方向にいっていて、さっきから私の心臓はバクバクしている。


っっ、、なんか……おかしくなりそう……


「わ、かった…」


私は胸のあたりを押さえながら頷いて、ゆっくりと凪くんの目を見つめた。



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