御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「ん。…気づいてた」


その表情は、涙を必死に堪えているようにも見える。


「気づいてて言わなかった。ほんと底意地の悪いやつでごめん」


っ、……なんっで……


どんな言葉も違う気がして、私は何も言えないまま、ただ首を横に振る。


「……舜くんを振り回してごめんなさい」


やっと出た謝罪の言葉は、気づかないうちに流れた涙のせいで、さっきよりも震えていた。


「お前はどこまでお人好しなんだよ」


なんて舜くんに笑われる。


「……妃奈に出会えて、好きになれて、楽しかった。ありがとう」


……私のことを思ってそんなふうに言ってくれるけど…本当は辛かったよね…


沢山苦しい思いをさせちゃったよね。


でも、きっと……ごめんねじゃないんだね。




「…舜くん、好きになってくれてありがとう」




「あぁ」


目を伏せて、優しく笑った舜くんは……なんだか嬉しそうだった。
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