御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「えっ、と…」


「だってまだ妃奈は東雲のものじゃないだろ?」


……舜くん、真っ直ぐすぎるよ…これはモテるだろうなぁ……


「じゃあ行くか」


「うん」


舜くんは私の歩幅に合わせて隣を歩いてくれるから慌てずに済む。


そんな舜くんの気遣いが、本当に素敵だなぁっていつも思う。


「傷、痛い?」


「あ、腫れはちょっとひいたの。傷のところに当たったりしなければ、痛くないよ」


「…そっか、良かった」


「心配してくれてありがとう」


目を細めて笑う舜くんの瞳は慈愛に満ちていて、私の心を軽くしてくれた。





──学校に着いてから、舜くんと光莉は本当にずっと私のそばにいてくれた。


2人のどちらかがどこかに行った時は、もう1人が絶対に私のそばを離れないでくれる。


2人の目は燃えていて、『絶対に守る』と背中に書いてあるみたい。
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