御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
だって舜くんは…まるで映画のワンシーンのような真剣で繊細で、それでいて澄んだ表情に切り替えたから。


こういう時の舜くんの言葉が私のためにならなかったことはない。


いつも明確で、少しだけ難しいアドバイス。


私は他の周りの音を全てシャットアウトして、舜くんの話だけに耳を傾けた。





「妃奈はいつも迷惑をかけすぎてるって感じてるだろ?」


「うん」


それは私が思っていたことで、迷惑をかけているっていう事実でもある。


「それにこれ以上迷惑をかけたくないって」


「…うん」


「俺だって善人じゃないからどうでもいいやつに迷惑をかけられたら、嫌だってなるよ」


どうでもいいやつ…迷惑……一つ一つの単語に、一瞬思考が停止する。


私は…きっと待ってる。


舜くんが、私の欲しい言葉をくれるのを……




「妃奈は俺らの大切だから」




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