御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
最近はずっと凪くんの一緒にいたから、それに慣れすぎちゃったのもあるかも…


不安や心配を笑って、なかったことにする。





と……状況が一変したのはその時だった。



眠気と共に落ちかけた私の頭に……僅かに足音が届いた。


私はそれを凪くんのものだと疑わず、勢いよく部屋を飛び出して1階に駆け下りていく。


「凪くんっ!」


私が凪くんの姿を捉えたのと、名前を叫んだのはほとんど同時だった。


「妃奈?」


「おかえりなさいっ、」


時刻は19時頃。凪くん、今日は早く終われたのかな…


凪くんに出会えた嬉しさで私はずっと笑顔なのに、凪くんはなぜか目を見開いている。


「凪くん?」


「何があった?」


私の頬にそっと手を重ねる凪くん。


ガーゼはつけたままだから傷は見えていないけど……まぁこんなものをしてたら真っ先に目に入るよね。
< 251 / 297 >

この作品をシェア

pagetop