御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「それについてなんだけどね、凪くんにお時間があれば、話したくて…」


「……ごめん、1人で悩ませて。妃奈の話ならなんでも聞くよ」


「ありがとう」


ふわっと、傷にあてたガーゼを手で囲む。


それから一呼吸おいて、口を開いた。


「凪くん…花乃さんって知ってる…?」


その名前を口に出すと、凪くんは『は?』と低い声をこぼした。


「なんで、妃奈がその名前を」


あぁ、やっぱり凪くんの知り合いなんだ…


なんか良い印象じゃなさそうだけど…


「クラスの女の子たちにね、凪くんは花乃様のものって言われて…」


「それで怪我をさせられたってこと?」


凪くんがそれを察した瞬間に、辺りの雰囲気が黒くなっていく。


顔に出すことはなく、落ち着いているけど…いつもの凪くんじゃないのは目に見えてわかる。



「妃奈を傷つけるとかどういう神経してんだ」



っっ、!!?

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