御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
な、、ぎくん…


低く鋭く冷たいその声と言葉が……凪くんのものだとは信じられない。


聞いたことがなかった。


凪くんがいつも私にかけてくれる言葉は、驚くほど温かいから。


「ごめん、妃奈を怖がらせたいつもりはないんだ。」


『でも…』と続ける凪くん。


「許せるわけがない」


うん、うん……ありがとう、凪くん。


私の分まで怒ってくれて。


凪くんがそう言ってくれるだけで、もう全部良くなっちゃう。


もう十分幸せだって。だからいいやって…


「離れてごめん。俺がいなくなったからだ」


「ううん、忙しい時にごめんね、お疲れ様」


私の言葉に凪くんは罪悪感に満ちた顔で、首を横に振る。


「…ちょっと父さんが体調崩しちゃって、呼ばれてたんだ。もう終わったから…ほんとごめんね」


そうだったんだ……


凪くんは東雲グループを継ぐからだよね。
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