御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
花乃さんって人が…?


でも、それだったら納得。


凪くんを知ってて、同じ学校の人じゃなかったし…。


「春日井 花乃(かすがい はなの)
ずっと親の権力を使って俺と婚約しようとしてきていた」


「そんなっ、、」


「大丈夫。正直、東雲に比べれば権力は乏しい。下手すれば父さんの逆鱗に触れるのを分かっていたはずなのに娘の身勝手さを放置している親も親だよ」


会社の力とか、正直私にはよく分からない。


だけど、凪くんが大丈夫だと言うなら大丈夫なんだと思う。


でも…


「もし、凪くんのお父さんが婚約を決めたら凪くんは……」


他の女の子の隣で凪くんが優しく笑っている姿を想像したら、心臓にチクチクと針がささる。


だけどそんな不安はすぐに消えた。


私を安心させるように、凪くんが背中を撫でてくれたから。


「父さんも母さんも、妃奈しか推してないから何があっても婚約なんてしないよ」

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