御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
『いえ、何かがあったわけではないのですが、奥様に胡桃様を本邸にお呼びするよう申し付けられまして。』


「凪くんのお母さんですか…?」


『はい。凪様は、胡桃様をこんな場所に呼ぶわけにはいかないと仰っていたのですが、奥様は胡桃様には最後まで見届ける権利があると…』


やっぱり、花乃さんたちと……


それに、凪くんと凪くんのお父さんだけだと思っていたのに、お母さんも海外から帰ってこられて…?


『妃奈様は見届ける覚悟がありますか?』


「え?」


『相手の方に何を言われても、耐えられますか?』


思ってもなかった質問に、言葉がつまる。


そして、頭の中で自問自答する。


何を言われても…とはどんなことだろうか。と…


下駄箱に入っていたあの手紙のような、辛辣な言葉を何度も突きつけられる、そんな状況を想像する。


< 265 / 297 >

この作品をシェア

pagetop