御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
きっと……苦しくはなる…


全て跳ね返せるようなメンタルは持っていない。


1ミリも傷つかないなんて無理だと思ってしまう。


無造作に繋げられた数々の言葉をきっと恨んでしまう。


でも、逆に言えばそれで済んだのならいい方かもしれない。


もし…全ての人の心に刺さるような罵詈雑言を並べられたらどうだろう。


私は……泣かずに食いしばれる?


耐えて耐えて…笑っていられる?


気にしない、と堂々と告げることができる?


考えれば考えるほど答えは出てこない。







黙ったままの私に、高橋さんがその静寂を切るように話しかけた。



「どうするか決まったらご連絡ください。こちらはまだ時間がかかりそうなので…お待ちしております。」



「……はい。」



プツっと通信が切れると、そのあとで無機質な機械音が私の耳を震わせた。




< 266 / 297 >

この作品をシェア

pagetop