御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「私の方がずっと凪くんを好きだったのに!!大好きで大好きで追いかけ続けていたのに!」


彼女がどれだけ凪くんを好きなのか、それがひしひしと伝わってくるから、私はその姿を見つめることしか出来なくなってしまう。


でも、花乃さんは今、私に伝えてくれてる。


だから私が返事をしなきゃ。何か言わないと。


息を吸ってから、言葉を紡ごうとすると……それは凪くんの声によって止められた。


「…だから?」


「……へ…?」


「好きだからって何でもしていいと本気で思っているのか?」


口調の変化で、凪くんの本当の怒りが伝わってくる。


「さっきだって何度も言ったはずだ。あんたと婚約するつもりは一切ないと」


「なんで!私と婚約すればそっちにだって利益が出るでしょう?そうよねパパ!うちは権力だってあるんだよね!?」


視線を花乃さんのお父さんの方に移せば、彼は気まずそうに目を逸らした。


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