御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「認めるとかそんなこと…」


私は反射的に、凪くんの服を掴んでしまった。


「妃奈?」


まさか私がそんなことをするとは思っていなかったのか、心配そうにこちらを見てくれる。


「凪くん、ごめん…もう言わないで…」


「え?」


「私の代わりに怒ってくれてありがとう。だけど……だけどね…」


落とした視線が花乃さんと交わる。


と、彼女はさっきよりもきつく私を見上げた。


「なんなの!!あんた!!同情なんていらないのよ!本当にいらないのっ、、」


その怒りの声が、私にはどうしても悲痛な叫びに聞こえてしまって……私は凪くんからそっと離れた。


「妃奈?」


私を呼ぶ凪くんの声を無視して、私は花乃さんの前にしゃがみこむ。


「なによっ!」


大丈夫、きっと彼女は叩いてなんてこない。


理由は分からないけど、そう確信して、私はゆっくりと彼女に目線を合わせた。
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