御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。

「凪くん、4年前はどうして離れちゃったのか教えて欲しい…」


俺の気持ちとは裏腹に、妃奈は落ち着いた表情で膝の上の拳を握る。


あぁ、そうだ、まだ妃奈には何も話してなかったな。


「分かった」


「東雲グループを継ぐには研修期間みたいなものがあるんだ」


そう告げると、妃奈はもともと大きい目を見開く。


まぁ、そんなものがあるとは普通思わないよな。


「高校1年生から大学3年生までの6年間。」


「え、？じゃあ、本当は今も…」


「いや、俺は前倒ししてもらったんだ。中学2年生からに」


早く終わらせて18歳の時には妃奈の傍にいたかったから。


「6年で終わったらいい方って言われていた研修を、無理やり4年で終わらせて戻ってきた。何も言わずに離れて、待たせてごめん」


こんな身勝手な話を聞いてきっと妃奈は呆れただろう。