御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「妃奈に特別なこと教えてあげる」


妃奈の可愛い怒りを鎮めるため、俺は小さい頃の記憶を掘り起こした。


「…なぁに」


「7歳の時、俺妃奈のお父さんのところに行ったんだ」


「ん?遊んだの?」


いや、7歳だったらそれが妥当かもしれないが…世間一般的に見て、俺は普通じゃなかった。


だって……妃奈のお父さんに『将来の約束』をしに行ったのだから。


「絶対に幸せにするから妃奈をくださいって言った」


「え、??凪くん7歳だよね?」


「うん、あの時の妃奈のお父さんの顔凄かったよ。怒りとかじゃなく、純粋に驚いてた」


まぁ7歳児に堂々と頭を下げられたら、耳を疑って当然。


それにただの遊びだと思われるだろう。


…他の人だったら……




でも妃奈のお父さんは違った。


子供だから、なんていう偏見の目で接しないでくれた。
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