御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
私は私なりに……頑張ろう。


凪くんの言葉を信じて……






───「あとでね、凪くん」


「うん」


凪くんとわかれて、タスキの受け渡しラインに立つ。


そこでゆっくり1度深呼吸をして、最後の準備を整える。


そして私は……若干左右に揺れる赤いタスキを……手のひらでしっかりと受け止めた。


吸って吸って吐く、その呼吸のリズムを意識しながら走っていく。


と……1周目はなんとか一定のリズムで走ることが出来た。


だけど、問題は2周目。


自分が動かしている感じがしないのに、足は前へと進む。


それに、呼吸が追いつかない。


待って………


私の右側を、後ろから来た4組の人が抜かしていく。


っっ、、せめて、なるべく順位を落とさずに凪くんに渡したい。


あとちょっと……



なんとか意地で走って、私は5位の人とほぼ同じタイミングで、凪くんにタスキを渡した。
< 53 / 297 >

この作品をシェア

pagetop