御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「凪くん!」


ゴール目前で名前を呼ぶと、凪くんは嬉しそうに笑っで、ゴールラインを踏んだ後、そのまま私の方へ来てくれた。


「ごめんね?私のせいで無理させちゃったよね」


何故か目の前で腕を広げていた凪くんが、私の言葉を聞いて、目を丸くする。


「なわけないでしょ」


「でもっ、」


「そんな悲しそうな顔しないで」


私よりももっと悲しそうな顔をした凪くんに、頬をつつかれる。


「妃奈が笑ってくれるのが俺の願いだから。妃奈は、やったねって笑って」


それだけ…??それだけでいいの??


凪くんの願いなら私は……


「…うん、うん……」


「……やったねっ、凪くん!本当にありがとうっ…」


「うん、妃奈もお疲れ様。よく頑張ったね」


私の頭を優しく撫でて、ポンポンとしてくれる凪くんの大きな手。



私、これ大好きだ……
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