御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
そうか、妃奈は生姜焼きも好きなんだな……


覚えておこう。


妃奈にご飯を作ってもらえるのも最高すぎるけど、こうやって2人で作るのも楽しい。


俺が一方的に幸せなだけなんだけど。




俺が生姜焼きを盛り付けている間、妃奈は冷蔵庫からお茶を取り出して、コップに注いでくれる。


そしてさらにキャベツを加えたその皿を、ダイニングテーブルへと運ぶ俺を、妃奈がコップを両手に追いかけてくる。


その姿が親鳥に必死でついていく小鳥のように見えて、なんとも可愛い。


「私、お腹すいちゃった……早速食べよっ凪くん」


「うん」


食べよう今すぐ。なんでも、妃奈の好きな分だけ。


「いただきますっ」


目の前の生姜焼きにこんなに目を輝かせる妃奈。


これだけでそんなふうに喜んでくれるなら、俺はもっともっとその笑顔が見たい。


目に焼き付けたい。
< 61 / 297 >

この作品をシェア

pagetop