御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「…っ、あ、、ごめ…」


「やっぱり帰ろうか」


「な、んで…」


「妃奈が泣きそうな顔してるから」


え………泣きそう??まさか、そんなはずはない。


「俺にとって妃奈が何よりも1番大切だから」


っっ、凪くんの言葉って本当に魔法だ……


そうやっていつも私の下がった気持ちを、上まで押し上げる。


手を解いて、今度は私の肩を抱いた凪くん。


「今日はこの部屋、妃奈と2人で使わせて。取り分けたりとかしなくていいから。」


凪くんがメイドさんに向けて淡々と告げると、メイドさんは一切驚いたような仕草は見せずに、45度、綺麗なお辞儀をした。


「かしこまりました。では、他の者にもそのように伝えます。」


私と凪くん以外、誰もいなくなった部屋で、凪くんは私を大きなソファーへと誘導した。


「妃奈、俺さ…」


私をソファーに座らせてくれて、自分は立ったままの凪くんを見上げる。


「俺、妃奈が誕生日祝ってくれたの、今までで1番嬉しかったよ」
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