御曹司の幼なじみから甘すぎる求愛を受けました。
「これでっ、……できる所まで進めてみるね」


急に恥ずかしくなって、凪くんから目をそらす。


のだけど………私が問題を解き始めても、なんだかずっと凪くんに見つめられているような気がする…。


ワークの方じゃなく、私を見てる…


「な、ぎくん、何かあった、?」


手を止めて、1度ちゃんと聞いてみる。


「ねぇ、妃奈」


だけどそれに対する返答ではないみたいで……身を乗り出した凪くんはこちらへと近づいてくる。


思わず、ギュッと身構えた瞬間、パッと電気が消えた。


突如として辺りは真っ暗になり、雨音だけが響く…そんな静けさに包まれた。


「…え…」


何も見えない……


凪くんの正確な居場所が分からない。


どうしよう、、私暗闇苦手なのに……


「な、ぎく…」


私の意思とは関係なく流れてきた涙を放置して、震える声で凪くんを呼ぶ。
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