断る――――前にもそう言ったはずだ
12.招かれざる客
エルネストは憤っていた。
危うくモニカに――――愛しい妻に、側妃を勧められるところだったからだ。
これまでも、側妃を持つよう仄めかされたことはあったが、ハッキリと言葉にされたのはこれがはじめてだ。昨夜はとてもじゃないが冷静で居られなかった。
日中、何をしていても昨夜の出来事ばかりを考えてしまう。あの時のモニカの表情が目に焼き付いていて、胸がとても苦しくなった。
(僕にはモニカ以外の女性なんて考えられないのに)
モニカはそうではないのだろうか?
側妃ができても平気だと言うのだろうか?
もしもモニカが他の男のものになることを想像したら、エルネストは気が狂ってしまいそうになる。
彼がそうであるように、モニカにも自分を愛してほしい――――エルネストはそんな風に想っていた。
(今夜、モニカに話をしてみよう)
胸を巣食うわだかまり。
今回ばかりはなあなあで済ませられそうにない。
言葉少なに夕食を終え、湯浴みをし、寝室へと向かう。
けれど、そこで彼を待っていたのは愛する妻のモニカではない――――別の女性だった。
危うくモニカに――――愛しい妻に、側妃を勧められるところだったからだ。
これまでも、側妃を持つよう仄めかされたことはあったが、ハッキリと言葉にされたのはこれがはじめてだ。昨夜はとてもじゃないが冷静で居られなかった。
日中、何をしていても昨夜の出来事ばかりを考えてしまう。あの時のモニカの表情が目に焼き付いていて、胸がとても苦しくなった。
(僕にはモニカ以外の女性なんて考えられないのに)
モニカはそうではないのだろうか?
側妃ができても平気だと言うのだろうか?
もしもモニカが他の男のものになることを想像したら、エルネストは気が狂ってしまいそうになる。
彼がそうであるように、モニカにも自分を愛してほしい――――エルネストはそんな風に想っていた。
(今夜、モニカに話をしてみよう)
胸を巣食うわだかまり。
今回ばかりはなあなあで済ませられそうにない。
言葉少なに夕食を終え、湯浴みをし、寝室へと向かう。
けれど、そこで彼を待っていたのは愛する妻のモニカではない――――別の女性だった。