断る――――前にもそう言ったはずだ
「正直言ってお手上げだ。殿下がその気になるのを待つしかないのだろうが、一体いつになることやら」
「……そうですわね。
もしかしたら殿下は女性がお嫌いなのでは?」
モニカは登城初日以降、エルネストには会っていない。
けれど、彼の冷ややかな眼差しを思い出すに、そういう可能性もあるのではと感じてしまう。
「それは無いだろう。特段女性を嫌っている様子はなかったし、御自身の婚約者候補に対しても、常に穏やかで優しく接していらっしゃる」
(穏やかで、優しく……)
つまり、他の令嬢に向けたエルネストの態度は、モニカに対するそれとは違うらしい。
(あの一瞬でわたくしは殿下に嫌われてしまったのね)
父親にバレぬよう、彼女は密かに肩を落とした。
「……そうですわね。
もしかしたら殿下は女性がお嫌いなのでは?」
モニカは登城初日以降、エルネストには会っていない。
けれど、彼の冷ややかな眼差しを思い出すに、そういう可能性もあるのではと感じてしまう。
「それは無いだろう。特段女性を嫌っている様子はなかったし、御自身の婚約者候補に対しても、常に穏やかで優しく接していらっしゃる」
(穏やかで、優しく……)
つまり、他の令嬢に向けたエルネストの態度は、モニカに対するそれとは違うらしい。
(あの一瞬でわたくしは殿下に嫌われてしまったのね)
父親にバレぬよう、彼女は密かに肩を落とした。