断る――――前にもそう言ったはずだ
「――――いいえ、妃殿下。全て、私自身の意思ですわ。
貴女を騙したことも、毎朝あのお茶を飲ませたことも、エルネスト殿下の寝室に向かったことも、ヴィクトルを差し向けたことも、全て私がやりたくてやったことです」
コゼットは潔かった。
弁明も、命乞いも、全くする気がないらしい。
モニカは大きく息を呑み、それから悲しげに顔を歪める。
コゼットはクックっと喉を鳴らし、それから嘲るような笑みを浮かべた。
「妃殿下、私は貴女のそういう偽善的なところが大嫌いでした。
この期に及んで私に情けをかけようだなんて、愚かにもほどがありますわ! 三年も不妊に悩んでいた癖に――――それなのに私に対して情状酌量の余地があると思うなんて、お人好しが過ぎます!
私は私の全てを賭けて、貴女を陥れようとしたのです! 妃の座から蹴落とそうとしたのです! 裁かれて当然の存在です!
そんな甘い考えでは、またいずれ、別の誰かに足を掬われてしまいますわよ!」
辛辣な言葉。
モニカの瞳に涙が溜まる。
(コゼットの言うとおりだわ)
人の上に立つものは、時に残酷な決定をもしなければならない。
コゼットの方が、余程妃として生きる覚悟があるように感じられる。
肩を落とすモニカを庇うようにして、エルネストが前に躍り出た。
貴女を騙したことも、毎朝あのお茶を飲ませたことも、エルネスト殿下の寝室に向かったことも、ヴィクトルを差し向けたことも、全て私がやりたくてやったことです」
コゼットは潔かった。
弁明も、命乞いも、全くする気がないらしい。
モニカは大きく息を呑み、それから悲しげに顔を歪める。
コゼットはクックっと喉を鳴らし、それから嘲るような笑みを浮かべた。
「妃殿下、私は貴女のそういう偽善的なところが大嫌いでした。
この期に及んで私に情けをかけようだなんて、愚かにもほどがありますわ! 三年も不妊に悩んでいた癖に――――それなのに私に対して情状酌量の余地があると思うなんて、お人好しが過ぎます!
私は私の全てを賭けて、貴女を陥れようとしたのです! 妃の座から蹴落とそうとしたのです! 裁かれて当然の存在です!
そんな甘い考えでは、またいずれ、別の誰かに足を掬われてしまいますわよ!」
辛辣な言葉。
モニカの瞳に涙が溜まる。
(コゼットの言うとおりだわ)
人の上に立つものは、時に残酷な決定をもしなければならない。
コゼットの方が、余程妃として生きる覚悟があるように感じられる。
肩を落とすモニカを庇うようにして、エルネストが前に躍り出た。