この先も、ずっと紺くんと一緒に


わたしも紺くんの元へ急ごうと一歩踏み出したその時、後ろから誰かに手を引かれた。


「どこ行くの?初のパートナーは俺でしょ」

「こ、紺くん!」

わたしの手を引いたのは紺くんで、反対の手には2枚のうちわが握られている。

「紺くんはうちわを選んだんですね」


「他に置いてあったものが、扇子や卓球のラケット、まな板とかだったから何かを仰ぐのかなと思って」

「さすが紺くん!」

「初はよく普通の風船選んだよね。もしかして予想できてた?」

「いいえ、全く!1年前に使用した風船と似ていたのでこれを選びました」

「……うん、初らしいや」

全員がパートナーと合流したところで、学園長が再び口を開く。


「そういえば、優勝者への特典をまだ伝えていなかったわね。今回優勝したカップルへの特典は2万(いいね)と、りぼんの宿での夕食付き、日帰り旅行が贈られます。なんと、その旅行には広報も一名同行するわ」

りぼんのお宿……!

わたしがその言葉に反応する横で不敵な笑みを浮かべる紺くん。


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