この先も、ずっと紺くんと一緒に


「へー。じゃあ、旅行しながら(いいね)も稼げるんだ。これは優勝しないと……」


「そうですね!絶対に優勝しましょう紺くん!」

「えっ何、急に?」

「実はりぼんのお宿は昔、ママとパパと泊まったことがある思い出の場所なんです」

「ああ、なるほど。そういうことね」

「景色が綺麗で、温泉もあって、それから……」

「初、もう始まるみたいだから集中して」

「わ、わかりました……!」


紺くんの視線の先には、ピストルを持つ学園長の姿。

わたしは紺くんに渡されたうちわをギュッと握りしめながら、スタートの合図を待った。

「そろそろ、はじめましょうか。最後にもう一度言うけど、ルートは自由よ。それじゃあ、よーいスタート!」


空に向かって掲げられたピストルからパァンッとはじまりの音が鳴る。

それと同時にハートの風船が一斉に空へと舞った。


「わ〜綺麗ですね」


「初、よそ見してる場合じゃないから。仰いで」

(そ、そうでした!
この風船を落とさずに運ぶことが今回のミッションでした。)

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