苺くんは、 蜜柑ちゃんを愛してやまない
「いいじゃん!」

「俺は、休みの日に誰にも会いたくない!
一人で部屋にこもるのが好きなの!!」

「知ってるよ?
インドア派だもんなぁー、一虎」

「蜜柑ちゃんとなら何処でも行くが、それ以外は嫌だ」

「は?」

「は?って、は?」

「お前、まだ告ってないの?
蜜柑ちゃんってたしか、カフェの窓側にいる子だよな?」

「うん。
告るどころか、話したこともない。
向こうは、俺のこと知らない」

「……………嘘だろ…?
“手が早い苺くん”じゃん、お前。
その容姿と性格に騙されて、コロッといくもんなぁー女達も(笑)」

「それは違うよ」

「何が?
去年の忘年会も、受付の……浅香ちゃんと消えたじゃん!
ホテル、行ったんだろ?」

「だって、向こうが誘ってきたんだし。
断る理由ないし。
顔、可愛かったし。
この日限りでいいって言ったし。
万が一があっても、責任取らないってのもちゃんと了承したし」

「クズだなー(笑)」

「クズだね」

「クズだよ、イチ」

「わかってるよ、クズだって」

「だから!なんで?」

「………怖いから」

「は?」

「なんか、蜜柑ちゃん。
コロッといきそうにない。
…………てゆうより、そんな簡単な気持ちじゃない」

「………」
「………」
見据える一虎と、固まる碧馬。

「……まさかの、イチ」

「ん?」

「本気なのか?」

「結婚、したいなって思ってる」

「は?」

「蜜柑ちゃんとなら、幸せな家庭を築けそうなんだ!」

「イチ」
「ん?」

「━━━━━━お前、バカなの?」

「バカ?
は?
そんなこと、初めて言われた」

「蜜柑ちゃんとは、話したことないんだよな?」

「うん」

「向こうは、イチのこと知らないんだよな?」

「うん」

「それでなんで、結婚なんてことになるんだ?
理解に苦しむ」

「だって、可愛いんだ。
全てが可愛い!
容姿、性格、身に付けている物………
あの子の周りの空気さえも、可愛い」

「はぁ……もしかしたら、お前と同じ“クズ”かもよ?」

「は?同じ?
俺と、蜜柑ちゃんが同じ!?
ほんと!?
幸せ~!!!」

「………」

「同じかぁー!
フフ…」

「ダメだ……
これ以上話してると、頭おかしくなる。
頭、いてぇー
イチ、やっぱ今日はいいよ。
一人で買いに行く」
碧馬は、頭を抱え行ってしまった。

だったら、大学に行ってみよう!
そう思い立ち、向かおうとする。

すると━━━━━━━
「あ!蜜柑!」

蜜柑が持っていた蜜柑のキャラクターのハンカチを見つけたのだ。

蜜柑を思い出す。
思わず取り、購入したのだった。
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