苺くんは、 蜜柑ちゃんを愛してやまない
なぜだろう━━━━━

一虎となら、本当に幸せになれそうなのだ。
一虎の自信たっぷりの瞳が、そう思わせるのだろうか。

“理想の男になってあげるよ”

こんな言葉、言われたことがない。

蜜柑は、幼い時から“可愛い”と言われて育った。

だから両親は過保護に蜜柑を愛し育てた。

蜜柑の天然と可愛さ故に、蜜柑は甘やかされて育ってきたのだ。

だからか自然と蜜柑は“私も頼りにされたい”と思うようになったのだ。
彼のために、何かしたい━━━━と。

だから過去の恋人は、年下の男子。
でもどちらもとてもしっかりしていて、蜜柑はやっぱり甘やかされていた。

“幸せにしてあげる”
“俺に任せて”
“蜜柑は、何もしなくていいよ”

こんな言葉ばかりだった。

蜜柑だって、好きな相手のために出来ることは何でもしたいのだ。



そんな蜜柑に一虎は“理想の男になってあげる”と言ってくれた。
“幸せにして?”と。

この言葉は、蜜柑にとってとても深い意味を持つ言葉になった。

“運命”のようなものを感じたのだ。


そして一虎と蜜柑は、それから一ヶ月半後に籍を入れたのだ。




━━━━━━━━━
━━━━━━━━━
━━━━━………………
一虎の寝顔を見ながら、出逢ってプロポーズされた時の事を思い出していた蜜柑。

あのクリスマスの日。
告白しようと思っていた、蜜柑。

好きなタイプは年下の男だったが、一虎なら……お付き合いしたいと思ったのだ。

蜜柑好きというのに心を惹かれ、話をしていてもとても楽しいのだ。
年齢とは関係なく、一虎と“対等”でいられるような感じがして居心地が良かった。

「………一虎くん、私も…
一虎くんの為に生きていきたい。
一虎くんの理想の女の人になりたい。
一虎くんを、幸せにしたい!
一緒に、幸せになろうね!」


一虎の頭をゆっくり撫でながら、想いを語るのだった。
< 15 / 30 >

この作品をシェア

pagetop