苺くんは、 蜜柑ちゃんを愛してやまない
ヤキモチ妬きの、苺くん
そしてまた後日━━━━━━

「飲み会?
碧馬は、バカなの?
俺が、行くと思う?
仕事以外で、蜜柑ちゃんと離れないよ」

「仕事なの!」
「は?」

「祥生!!
今度の契約先の会社に勤めてんの!」

「だから?」

「だから!仕事の話もあんの!」

「………」
「仕事終わったら、居酒屋な!
蜜柑ちゃんに連絡しとけよ!」


『━━━━そっか…わかった。
あんまり、飲みすぎないでね!』
蜜柑に連絡する。

「うん!あんま、飲むつもりないし。
酒も、そんな弱くないから大丈夫だよ!
それよりも、ごめんね。
蜜柑ちゃんを一人にしちゃって…」

『大丈夫!
莉帆ちゃんに、食事付き合ってもらうから(笑)』

「フフ…そっか!
でも、気をつけてね!
なんかあったら、すぐ連絡して?」
『わかった!』


そして仕事終わりに居酒屋に移動し、祥生や祥生の同僚と一虎、碧馬達が集合した。

「━━━━まずは、仕事の話だな」
祥生が書類の束を出す。

「つか、居酒屋で話すことじゃないだろ?」
祥生を睨み付けながら、書類に目を通す一虎。

「まぁ、そう言うなよ!」
碧馬がなだめながら、同じように書類に目を通す。

「…………つか、顔面偏差値高っ!!(笑)」
祥生の同僚が、一虎と碧馬を見て呟いた。

「だろ?この二人、大学ん時凄かったんだよなぁ~!
まぁ、久しぶりに会えて嬉しいよ!
これから、よろしくなっ!」

「あぁ」
「祥生」
「ん?」
「言っておくが!」

「あー!
プライベートは会わないよ、とか?」

「うん。仕事でしか関わらないよ」

「わかってるよ。碧馬に聞いたから!
この前碧馬が電話した時、何か訳のわからないことでキレて切ったんだろ?」

「あ、あれか!
碧馬の“くだらない電話のせいで”俺の命が縮むとこだったから」

「くだらないって……失礼だな…相変わらず…(笑)」

「うるさいよ。
俺は、やることはキチンとやってる。
碧馬にも、祥生にも文句を言われる筋合いない」

「そうだな。
“仕事は”完璧だもんなぁー、一虎」
碧馬が言う。

「そうなの?」

「あぁ。
仕事中、嫁さんの名前ばっか呼んでてさ。
“蜜柑ちゃんに会いたい”
“蜜柑ちゃん、今何してるかなー?”
“蜜柑ちゃん、今電話したら怒るかな?”
“蜜柑ちゃん”“蜜柑ちゃん”って。
うっさいんだよ(笑)
でも、仕事は完璧にこなして帰るんだ。
残業も、一切しない」

「さすが、一虎だな(笑)」

「でも、それ以外は“クズ”だがな(笑)」
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