苺くんは、 蜜柑ちゃんを愛してやまない
この人は、誰?

そう…思ってしまう程、一虎の雰囲気がガラリと変わっていた。

蜜柑は、怖くなり何度も首を縦に振って頷いた。

「ん。
さぁ、蜜柑。
マンションに帰りついたら、その可愛い小さな身体に刻みつけようね!
……………蜜柑が…誰のモノか…!」



その言葉通り、自宅マンションに着くなり蜜柑は一虎に何度も抱かれていた。

「一虎く……も…休憩…させ、て……」

「まだダメ…
全!然!収まらないから!」

一虎自身も、びっくりだった。
自分の中に、あんな黒い嫉妬心があったなんて━━━━

基本的に、何でも器用にできる一虎。
嫉妬なんてあまりしたことがない。

自分の前で、愛してやまない蜜柑が自分以外の男と楽しそうに話している。
自分の知らない、高校の頃のことを。

これだけで、凄まじい怒りが込み上がったのだ。

そんな話で盛り上がる、大夜や莉帆に。
そして、俺と言う愛する旦那がいて、楽しそうに話す蜜柑にも。

蜜柑を笑わせる、泣かせる、怒らせる。
これは、自分だけの特権のようなものだ。

だから、許せなかったのだ。



何度も、一虎に求められぐったりしている蜜柑。
それでも求める一虎に、必死に抵抗している。

その姿を見てるだけでも、興奮する。

まるで野獣のように、蜜柑の身体を貪っていた。


「蜜柑…蜜柑……蜜柑、俺だけを見て…?
俺を幸せにしてよ?
俺は、蜜柑じゃないと…幸せになれないんだよ?」

「……ぃち虎…く…」
「ん?蜜柑、もっと呼んで?俺の名前」

「一虎…く…」
「蜜柑…」

「一虎く…好き…」
ゆっくり、一虎に手を伸ばし頬を包み込む蜜柑。

その小さな手に、自身の手を重ね握る。
「俺も…!俺も、大好きだよ、蜜柑」

口唇が、重なる。
「はぁ…蜜柑…一緒に、イこうね……!」

また、果てて……
そのまま蜜柑は、意識を手離した。


「…………はぁ…可愛い…可愛いなぁ、 蜜柑ちゃん」
眠っている蜜柑を抱き締め、頭を撫でている一虎。

漸く落ち着きを取り戻し、穏やかになっていた。

「………ったく…大夜達を、社会的に抹殺しようかな?(笑)
そうすれば、こんな嫉妬しなくて済むかな~?
…………………
……なーんてな(笑)」


そんな恐ろしい冗談を呟き一虎は、蜜柑の額にキスをして心地よい眠りについた。
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